2025.12.11
エンジン冷却の仕組み
ラジエーターっていったいどんな働きをしているのでしょう
今日はそんな内容でいってみます
車のエンジンは、走行中もものすごい熱を出しています
でもそのままでいると、オーバーヒートして(エンジンがイカれちゃう)しまうため、熱を逃さなければいけません
その冷却システムの中心にあるのが、ラジエーターです
言ってみれば、エンジンの熱を吸収した冷却水を冷やすクーラーのような存在
エンジンの中を巡った冷却水は熱を持ち、熱くなります
それをラジエーターに送り込んで風を当て、熱を外に逃がします
そして、この冷却の助けをしてくれるのが走行風と電動ファンモーター
ラジエーターが正常に働いていれば、エンジン温度は一定に保たれ、快適に走り続けることができるというわけですね

では、ラジエーターが悪くなるとどうなるのでしょうか?
ラジエーター本体の劣化やホースの割れ、冷却水漏れなどが起きると、冷却水が減ってしまいます
するとエンジンが熱を下げられなくなり、最悪の場合オーバーヒート(走行不能、エンジンがイカれて載せ替えになる)
エンジン内部にダメージが出ることも・・・
冷却系のトラブルは早めの修理がとても重要です
ラジエーター交換とエア抜き
意外と知られていませんが、冷却水を入れ替えたり、ホースを交換したりすると、冷却ラインに空気が入り込みます
この空気が残っていると冷却水がうまく循環しません
この時欠かせない作業が、エア抜きです
エア抜きとは
冷却水の量を調整しながらエンジンをかけ、冷却ラインの中の空気を丁寧に追い出していく作業のことです
冷却ラインの中に入り込んだ空気を外に逃がさないと、冷却水だけが正しく流れる状態にならないのです
これがまた時間と根気のいる作業でして、車種によってはエアが抜けやすいものと抜けにくいものがあったりします
簡単に見えて実はとても重要で手間のかかる工程です
なぜ、空気が残るとダメなのかというと、冷却水はポンプで循環してエンジンを冷やしますが、途中に空気があると流れが途切れてしまうのです
水が行き届かなくなるとエンジンが冷えにくくなり、オーバーヒートの原因にもなります
サーモスタットが正しく開かない、ヒーターが効かない、といった症状が出ることもあります(コレ結構あります)
電動ファンモーターが回るまでがセット
エア抜きが進んでくると、冷却水の温度が上がり、電動ファンが自動で回り始めます
この、ファンが回るところまで確認することが非常に大切なのであります
ファンが作動していれば、温度センサー・サーモスタット・電動ファンがきちんと働いている証拠
気温が低い季節だと、ファンが回るまでに時間がかかるため、整備士にとっては非常~に根気のいる工程です
ちなみに上記作業を筆者も手伝ったり、近くでずっと見てきましたが本当に時間のかかる作業だとつくづく思います
1回回ったからOKではなく、2回確認してやっと安心して各部最終点検して終了となります
なかなか慎重さが必要なラジエーター交換
一つ一つの工程を一個でも怠ると、後のオーバーヒートにつながるとても大事な作業です