2025.07.30
エアコン修理の沼
さて、今日も今日とてブログを綴ってゆく・・・
本日は少々専門的、とまではいきませんが車のエアコン故障と修理内容について、素人の筆者が整備士から聞き、一緒に間近で手伝いながらその一部始終を見てきた一人として、見解や解釈などを交えながら述べていきたいと思います
結論から申しますと、エアコン修理はどうしても高くなりがち、ということです
故障原因も本当に様々ですが、まずエアコンが効かない理由として挙げられる代表的ものは大きく分けて以下の8つ
①コンプレッサーの故障
②コンデンサーの詰まり
③電動ファンモーターの故障
④エアコンガスがどこかから漏れている、もしくは不足している
⑤エキパン(エキスパンションバルブ)の詰まり
⑥高圧パイプの詰まり
⑦オーバーヒートによる冷却水(ラジエター)の不足
⑧その他(リレー、電気系統など)
ざっくりですが、よくある故障事例で大きく分けるとこれだけあります
まず、エアコンが効かない症状ですがポイントがあって、
・吹き出し口からの風量や風の温度が適正かどうか
・ガスの高圧と低圧は正常かどうか
この2つが初手でする判断材料です
ガスの高圧低圧は、マニホールドゲージというものを使って調べます
低圧2.0~3.0㎏/㎠、高圧1.2~1.5㎏/㎠前後ですから、そこから圧が低すぎるから〇〇、圧が高すぎるから〇〇、という具合に探っていきます
ざっくりいうと、こんな感じで可能性の高い箇所から直していくわけですが、大体故障箇所が特定できれば交換して直るわけです
ですが、故障個所を直してもエアコンが効かない時があります
そうすると、他にもおかしい箇所があるということですから、ずっとその部分を追っていかないといけないですよね
これが【エアコンの沼】です
今年もエアコン修理を数えきれないほど行いましたが(部品屋さんに「薩摩さん、これで何台目ですか?」と言われたほど・・)
まあなかなか一筋縄ではいかぬ猛者(車輛)ばかりで、大変でしたがとても勉強にもなりました
時間がかかって整備士も頭を抱えた車輛は、なんとヒーターとクーラーの風の切換え弁が正常に機能していない箇所があり、それが最後の原因だったことも
そこにたどり着くまでものすごくかかりました
気づいたのは、故障箇所を断定してしっかり交換して一連の作業をすべて行ったのに
「なんだかなあ、キンキンではないよなあ、つめたくないわけじゃないんだけど・・」
とずっと調べているうちに、だんだんと一か所だけ吹き出し口からの風が温かくなってきたことで発覚します
ハナからその症状があればもう少し早く気づけたかもしれないのに、だいぶ経ってから出たりします
沼っていくとはこのことです
こういったことが整備ではいくつもあります 機械ものはなんでもそうかもしれませんね
結局、最初の判断でお見積りした金額よりも追加、追加となっていくことがエアコン修理は多くて、最終的にはどうしてもお金がかかりがちなんです
それをまたお客様にお伝えするのもつらいものでもあります
我々もなるべく、できるだけ安く済ませてあげたい、と思っているけれど、こうやって何か所も故障していることもあって、しかもそれが最初からわからない時も多いので、悩ましいところです
お客様もこの暑い中こんなエアコンの効かない車でお仕事なんてできないでしょうから(命にかかわります)、どうにかして早く、しっかり直して、返してあげたい一心でやっております
しかし猛者(一筋縄ではいかない車輛)が多い・・・
お時間がかかったり、納車の後また症状が出たりして再度お預かりすることがあったり、とご迷惑をおかけしたお客様もいらっしゃいます
大変申し訳ないです
でも、「うわあ!!めっちゃ効いてる!!」と喜んでくださるお客様を見ると我々も心底安心いたします
「ありがとう!!!」と手を振って帰っていく車を見送るのも、整備士の醍醐味です
と、いうわけで今日はエアコン修理の沼というテーマで書きましたが、整備士も今年は特に勉強になった事例が多かった、と言っていました
思いっきり沼にハマっていく整備士の様子を間近で見ていたので、苦悩した分、彼の「知識」にもなったことは一つ大きな成果と言ってもいいかもしれません
何十年とたくさんの車を修理してきても、ずっと勉強なんだなあ、と整備の深さを思い知らされます
恐るべし、エアコン修理の沼
これは、「マニホールドゲージ」
これを使って、エアコンガスの高圧と低圧を調べます
エアコンガスです
ガス補充、エアコン修理で使います