2025.07.15
昨日の【ジャッキ】に続いて、今日は【ウマ】と呼ばれるジャッキの一種について書いてみようと思います
整備工場には【ウマ】というスタンドジャッキがあります
最初のころ、「ウマいるわ、ウマもってきて」とか、「ウマでいくか、ウマやな」とか、整備士たちが車の下や車全体を見ながら言っていたのを聞いて、
「馬?!馬って何?!?!」と【馬】で脳内をいっぱいにしたことがあります
しかし、整備士が持ってきたのはもちろん馬ではなく、見慣れない形の見慣れない何かでした
「・・・馬・・」
と、その【ウマ】と呼ばれた何かを凝視した記憶があります
【ジャッキ】で車の真ん中から上に上げた後、さらに安定性を確実にするために【ウマ】を2個、左右に置いて支えるのです
なるほど、安定性は抜群だ これなら車も片寄れまい
といったところです
しかし、当時の筆者には【ウマ】と呼ばれるそのスタンドジャッキを見てからというもの、釈然としないものがありました
「なんで【ウマ】なんだろう・・・馬に似てるから?いや、似ていない・・・」と
整備士に聞いても、
「馬に似てるからやろ」としか答えません
「馬に似てると思う?」と聞くと、
「さあ、似とるんちゃう?」と、ふわっとした回答しか得られずますますモヤっとしたものを抱えました
しかし、このご時世便利になったもので、すぐにネットで調べられます
まずは、【ウマ】がなんなのか、そして語源や正式名称は何なのか、を知りたくなりました
どうやら、やっぱり「馬に似ているから」らしいです
そして、正式名称は【スタンドジャッキ】/【リジッドラック】ということがわかりました
スタンドジャッキはわかりますが、リジッドラックとはまた聞きなれない単語です
調べてみました
英語の「rigid・・・硬い、剛性がある、しならないという意味」と、「rack・・・台、棚、支え、支える構造という意味」だそうです
「硬い台」・・・要するに、「しっかりと支えてくれる台」ということでいいでしょう
そして、それが【ウマ】になった語源ですね
馬に似ているから、というのはわかりましたが「そんなに似てるかな?」という印象なんです
しかし、姿形、というよりも古来より重たいものを運んだり、支えたりしていた馬の様子やその様で【ウマ】というようになったのかな、と自分なりに解釈しました
牛もそうだったとは思いますが、多くは馬だったのでしょう(馬車もありましたし、騎馬隊もありましたし)
調べている中で、「大工さんの業界でも【ウマ】と呼ばれるものがあることを知りました
主に作業台や作業足場などにつかわれる台らしいのですが、筆者はそっちの【ウマ】の方がより馬に見えました
4本足で支える作業台です
どちらかというと、建築業界で【ウマ】の呼称があり、支えるという意味では同じように車をしっかりと支えることから自動車業界でも【ウマ】と呼ばれるようになった、という流れのようですね
最近では、見慣れてしまったせいか【ウマ】が馬に見えなくもない、と脳内で都合よく納得しているような感じではあります
自動車整備士が言う【ウマ】の写真と、建築業界で【ウマ】と言われるイラストを置いて、本日はおしまいにします
薩摩自動車で使用している【ウマ】
真ん中にあるのは昨日の記事でも書いた【2tジャッキ】ですね
左右を【ウマ】でしっかり支えて、安定させます
これは、建築業界で【ウマ】と呼ばれる4本足の作業台です
これをもう1台置いて、その上に板などの台を置けば作業ができます
これだけではなく、もっとたくさんの種類の【ウマ】があります
こっちは、「馬に似てるからだよ」と言われても違和感は全くありませんよね